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現代社会では、デジタルテクノロジーが社会の隅々まで浸透し、その急速な進展に伴って、サイバー空間における法的・地政学的な課題が増大しています。国家安全保障や民主主義の健全性等に影響を与える新たなリスクが浮き彫りとなり、従来の枠組みでは対応が困難となる中で、こうした課題に取り組む手がかりを探るため、現在の過渡的な段階における諸相を憲法学の視点から解釈し、検討を試みました。
資料本編は、憲法学者の山本龍彦氏(慶應義塾大学教授)を講師に迎えて実施した、2024年2月5日(月)、7日(水)に実施した山本氏の講義、および有識者によるラウンドテーブルの議論を再構成した内容となっています。
巻末には「2023年度 海外におけるサイバーセキュリティ教育調査 調査報告書:米国」の抜粋として、米国における「NICE Framework」の活用例や、その他日本のサイバーセキュリティ人材教育に参考となる事例等の調査結果を掲載。また、米国の事例を踏まえ、慢性的なセキュリティ人材不足が課題となっている日本に必要な対策を提言しています。
講師:山本龍彦
慶應義塾大学大学院法務研究科(法科大学院)教授。慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)副所長。総務省「AIネットワーク社会推進会議(AIガバナンス検討会)」構成員、経済産業省・公正取引委員会・総務省「デジタルプラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」委員、総務省「情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会」委員を努める。
ディレクター:若林恵
黒鳥社コンテンツ・ディレクター。平凡社『月刊太陽』編集部を経て2000 年にフリー編集者として独立。以後、雑誌、書籍、展覧会の図録などの編集を多数手がける。音楽ジャーナリストとしても活動。2012 年に『WIRED』日本版編集長就任、退任後の 2018 年に黒鳥社設立。
まえがき
溶けだした世界で民主主義は可能か 若林恵
特別講義
サイバーセキュリティと民主主義 山本龍彦
1 私企業と国家 リヴァイアサンとビヒモスの戦い
公衆衛生から国家は生まれた
国家を凌駕する権力
プラットフォーム権力の源泉
新しい民間主権
権力の二重構造
脅される国家
プラットフォームの地政学
新しい「新しい中世」
独自の法と秩序
「政」と「情」の関係構築
プラットフォームの意義
議論|国家の独占が壊れていく
2 戦争/外交/経済 まつろわぬプラットフォーム
まつろわぬインフラ
プラットフォームによる国家安全保障
安全保障人材の引き抜き
諜報機関としてのFacebook、Google
憲法9条とサイバーセキュリティ
まつろわぬ者の価値
日本で「協約モデル」を実施するには
サイバーセキュリティの共通原則
議論|民主主義はサイズダウンしていく
3 メディアと表現の自由 アテンション・エコノミーという問題系
新ブランダイス学派の台頭
アテンション・エコノミーの構造的問題
思想の自由市場
表現の自由と自己決定権
「やった者勝ち」の世界
フィルターバブルの何が問題か
「情報的健康」という視点
食育から学ぶこと
理性には限界がある
議論|メディアと国家の行方
資料 全社会化するアメリカのサイバーセキュリティ教育
「2023年度 海外におけるサイバーセキュリティ教育調査 調査報告書:米国」抜粋
「NICE Framework」を知る
NICE Frameworkの主だった活用事例
NICE Frameworkを活用していない参考事例
日本のサイバーセキュリティ教育に必要なこと
企画:国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)/山本龍彦/黒鳥社制作:黒鳥社
CYNEXアライアンス事務局
cynexml.nict.go.jp